シマクトゥバを
知るための10冊
選定書籍一覧
(狩俣 繁久・選)

狩俣 繁久 (かりまた・しげひさ)
1954年沖縄県生まれ。琉球大学名誉教授。1979年、琉球大学卒業。専門は琉球語学。主な著者、論文に「琉球方言の焦点化助辞と文の通達的なタイプ」「日本語の研究」第7巻4号(2011)、「見えなかったものを見えるようにー琉球語文学としての諺研究の可能性ー」「沖縄文化」(2020)、「一単語文から分節分へー人間の言語の特性と起源(再考)」「琉球アジア文化論集」(2020)、「消滅危機方言の記述文法は誰のために」「琉球の方言」44号(2020)、「生態学としての琉球語研究」「琉球アジア文化論集」第7号(2021)など。


奄美大島大和村の人々がどんな社会生活を送ってきたかが辞典形式で記録されている。身体、人間関係、衣、食、住等の意味分野別に単語が並ぶ。シマの暮らしを丸ごと記述したかのような営為は圧倒的である。

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話者が減り、消滅の危機にあるどぅなんむぬい(与那国言葉)を後世に引き継ごうと製作された。単語の使い方を示すだけでなく、例文が生活文化の記述になっており、シマの生活文化を記録した優れた辞書である。

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ミャークフツ(宮古言葉)で語り継がれてきたことわざに新たな命を与えた一冊。先人の知恵やいつの世も変わらぬ親子の情愛が描かれている。時代を担う若者への指針として読み直せば新しい発見があるだろう。

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『沖縄今帰仁方言辞典』の著者である仲宗根政善によるシマクトゥバのもうひとつの姿が綴られている。母への思慕やことばを通して想起される故郷の風景など、宝物のような情景にシマクトゥバを通してふれることができる。

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「沖縄口の持っている語感、味わい、共通語と沖縄口とのずれ、言葉と言葉の間にあるゆれ」など、シマクトゥバにまつわる軽妙かつ含蓄のある文章が並ぶ。ことばの味わいまでも知ることができる入門書の決定版。

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平安中期の女流歌人である藤原道綱母によって書かれた『蜻蛉日記』を儀間進がシマクトゥバに訳したものである。大きなチャレンジに立ち向かった儀間の姿が優れた翻訳者たちの姿と重なる。

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シマクトゥバの単語や表現の意味、ニュアンスなどを使用される場面の中で分かりやすく解説している。言語活動とは、話し手と聞き手の共同作業により生み出されるという本質を見抜いた優れた入門書である。

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八重山を代表する抒情歌であるトゥバラーマは、折々の心情をメロディーに乗せて即興的に歌いあげたものである。この歌集には古典的なトゥバラーマだけでなく、戦後に創作されたトゥバラーマも掲載されている。

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西原町小那覇出身の著者による詩集。沖縄戦と米軍支配時の沖縄を描いた「戦場ぬ哀り」やシマの風俗を描いた「出生祝(んばぎーすーじ)」「荼毘」などの45首が収められている。ウナファクトゥバ(小那覇言葉)の詩と日本語の詩が対になってハーモニーをなす。

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宮古島出身のシンガーソングライターである下地勇によるCD。ミャークフツ(宮古言葉)で書いた詩に曲をつけた36曲が収録されている。ミャークフツのリズムと楽曲のリズムに身を任せてミャークフツの世界を歩き回るのも楽しい。

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